船釣り“あるよね”話

船宿のお土産

長谷部 司 2016.05.02
南房のとある船宿で、帰り際に切り花をもらったことがある。
花のお土産
漁や農業を兼業している船宿も多く、ご好意で野菜や干物などのお土産を持たせてくれるところもあったが、花をもらうのは初めて。花にあまり興味のない私は、非常に戸惑ったのだった。

「将を射んと欲すれば、先ず馬を射よ!?」

「花束」と「いい歳のオッサン」という、なんとも不釣り合いな組み合わせ。多少照れ臭く思いながら、せっかくいただいたのだからと家に持ち帰ると、女性陣は釣果以上にその花に食いついた。そんな光景を見て、やはり女性は花が好きなんだなぁ…と思っていたら、ハタと気付いた。オッサンに不釣り合いな花を持たせたのは、そういうことかと。

その花は、切り花ながら1カ月近くも、我が家に春の彩りをもたらしてくれた。それ以来、南房へ釣りに行くというと、快く送り出してくれるようになった。意図したものかは定かでないが、花のお土産、なかなかに効くのである。

ただ、今回の話、決して船宿にお土産を持たせろと言っているわけではないので、誤解のないようお願いしたい。
ライター紹介
船宿のお土産

長谷部 司(ハセベ ツカサ)

東京都在住。船釣り、磯釣り、堤防釣り、渓流釣り、エリアトラウト等々、幅広いジャンルの釣りをこなすマルチアングラー。特に磯のグレ釣りはメーカー主催の全国大会に出場経験のあるほどの腕前。本職はカメラマンで、船釣り、磯釣りなどの雑誌記事の撮影経験も豊富。

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