船釣り“あるよね”話
社員旅行の仕立船
長谷部 司 2016.05.02
会社の旅行や慰労会などで、釣り船を仕立てることがある。たいていの場合は釣り経験者が幹事にさせられるので、なかには経験のある方もおられるかと思う。
私はフリーのカメラマンなので幹事をした経験はないが、以前、「席に余裕があるから」と友人の勤める会社で仕立てた船に誘われたことがあった。
「部外者の私が呼ばれたワケ」
こうした催しは、アジやシロギスといったライトな釣り物が多い。この日も狙いはアジであった。
幹事の彼は仕掛けの面倒をみたり、コマセを詰めたりと同僚の世話に追われ、自分が釣りをするどころではなかったが、ひとり部外者の私は、端のほうでおとなしく釣っていた。
彼がようやく竿を持ったのは、日が高く昇って、ぽかぽかと暖かくなってきた頃。
前日に飲み過ぎたのか、彼の上司は釣りもそこそこに、気持ちよさそうに眠ってしまっている。
ほかのみなさんも、寝てはいないまでも概ねまったりムード。そんな訳なので、当然のことながら船中の釣果は芳しくない……。
ここでようやく、彼が私を誘った理由がわかった。要するに私は「お土産確保要員」なのである。
そこからは2人で怒濤のごとくアジを釣った。釣って釣って釣りまくった。
そして、沖揚がりの頃には全員にそれなりの数が行き渡るくらいの釣果を得らることができた。
このお土産は社員の皆さんに大いに喜ばれ、彼は釣り名人として、そして幹事としてのメンツを保ったのだった。
私はフリーのカメラマンなので幹事をした経験はないが、以前、「席に余裕があるから」と友人の勤める会社で仕立てた船に誘われたことがあった。
「部外者の私が呼ばれたワケ」
こうした催しは、アジやシロギスといったライトな釣り物が多い。この日も狙いはアジであった。
幹事の彼は仕掛けの面倒をみたり、コマセを詰めたりと同僚の世話に追われ、自分が釣りをするどころではなかったが、ひとり部外者の私は、端のほうでおとなしく釣っていた。
彼がようやく竿を持ったのは、日が高く昇って、ぽかぽかと暖かくなってきた頃。
前日に飲み過ぎたのか、彼の上司は釣りもそこそこに、気持ちよさそうに眠ってしまっている。
ほかのみなさんも、寝てはいないまでも概ねまったりムード。そんな訳なので、当然のことながら船中の釣果は芳しくない……。
ここでようやく、彼が私を誘った理由がわかった。要するに私は「お土産確保要員」なのである。
そこからは2人で怒濤のごとくアジを釣った。釣って釣って釣りまくった。
そして、沖揚がりの頃には全員にそれなりの数が行き渡るくらいの釣果を得らることができた。
このお土産は社員の皆さんに大いに喜ばれ、彼は釣り名人として、そして幹事としてのメンツを保ったのだった。
ライター紹介
長谷部 司(ハセベ ツカサ)
東京都在住。船釣り、磯釣り、堤防釣り、渓流釣り、エリアトラウト等々、幅広いジャンルの釣りをこなすマルチアングラー。特に磯のグレ釣りはメーカー主催の全国大会に出場経験のあるほどの腕前。本職はカメラマンで、船釣り、磯釣りなどの雑誌記事の撮影経験も豊富。