船釣り“あるよね”話

船酔い

長谷部 司 2016.05.02
外房へヤリイカ釣りに行ったときのこと…。
街を歩くような格好の上にビニール合羽を着ただけという、なんともライトな装いの20代のカップルが隣に座った。
季節は冬。風が強く、けっして「釣り日和」といえる予報ではなかったので、「大丈夫かな?」と他人事ながら気になっていたのだが…。

「消えゆく二人…」

沖へ出ると予想どおり風波が強く、シケ状態。そして、まずは彼女のほうが船酔いでダウン。キャビンへと消えていった。彼氏のほうはシブキを被り、ずぶ濡れになりながらも奮闘していたが、しばらくすると彼の姿も見えなくなった。
船酔い
ビギナーにありがちなトラブルの筆頭は、やはり「船酔い」だろう。睡眠を十分に取り、慣れないうちは酔い止めの薬も飲んでおきたい。乗船前の食事も脂っこいものは控え、量もほどほどにしておこう。

それと、ちゃんとしたカッパと長靴は船釣りの必需品。船上は、晴れでもシブキで濡れると思っておいたほうがいい。釣りの道具は借りられても、ウェアはちゃんとしたものを用意しておかないと釣りどころではなくなってしまうのだ。

さてさて…。次にそのカップルの姿を目にしたのは港へ着いてから。空のバケツを気の毒に思った私は、少ない釣果ながらお土産にと数杯のイカを手渡した。
「今度はちゃんと準備してリベンジします」
そう言った彼らは笑顔だったが、帰りの車中はさぞかしシケるだろうな…と、いらぬことを想像してしまった。女性と釣行する際は、特に準備は念入りに。
ライター紹介
船酔い

長谷部 司(ハセベ ツカサ)

東京都在住。船釣り、磯釣り、堤防釣り、渓流釣り、エリアトラウト等々、幅広いジャンルの釣りをこなすマルチアングラー。特に磯のグレ釣りはメーカー主催の全国大会に出場経験のあるほどの腕前。本職はカメラマンで、船釣り、磯釣りなどの雑誌記事の撮影経験も豊富。

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